このたび当院では診療体制の見直しを行い、2026年3月4日をもって小児科の標榜を終了することといたしました。
これに伴い、小児の予防接種および15歳未満の方の急性疾患に関する診療は、今後当院では行わないことといたします。花粉症につきましても、来シーズン以降は小児科専門医療機関での診療をお願いしたく存じます。
なお、小児の診療を全面的に中止するわけではありません。これまで当院に慢性鼻炎や気管支喘息などの慢性疾患で通院されているお子さまにつきましては、引き続き継続的な診療を行ってまいりますので、ご安心ください。
改めて、経緯についてご説明いたします。
当院開業当初、熊谷市内には小児科を標榜する医療機関が少ない状況にありました。そのため内科を主としながら、地域の需要に応える形で小児科診療も行ってまいりました。その後、市内に小児科専門の医療機関が増え、さらに社会構造の変化も相まって、近年では当院を受診される小児の患者さんは年々減少しておりました。
一方で、地域の高齢化は着実に進み、当院に通院されている患者さんの多くが複数の慢性疾患を抱えるようになりました。診療内容はより専門的かつ慎重な判断を要するものへと変化しております。また、通院中の患者さんの急な容体変化に対応する場面も増えてまいりました。
今回の決定にあたり、最も大きな理由となったのは感染対策上の課題です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以降、診療体制は大きく変化しました。
現在、社会全体としては感染対策が緩和されておりますが、高齢者に感染が生じた場合、仮に重症化に至らなかったとしても、その後の体力低下や日常生活機能の変化など、生活全体に影響が及ぶことは決して珍しくありません。
COVID-19は症状の幅が広く、症状から一般的な上気道炎との区別を行うことは困難です。仮に検査を行って陰性だった場合でも、偽陰性の問題が残ります。さらにCOVID-19は、非流行期においても一定の割合で検査が陽性になる事があります。
これらの理由から、高齢者や基礎疾患を有する患者さんを主体とする当院の診療においては、感染症の患者さんと慢性疾患を有する高齢の患者さんの動線を分けることを重視しております。
しかしながら、当院で個室対応が可能な空間は実質的にレントゲン室のみであり、感染症流行期には診療動線の確保が大きな課題となっておりました。
レントゲン検査は内科診療において重要な役割を担っております。肺がん検診などの延期をお願いする場面もありましたが、かかりつけ患者さんの容体変化に応じて緊急に検査が必要となることも増えており、感染症診療との両立が難しい状況が続いておりました。
さらに、小児医療に求められる専門性は年々高まっております。診療だけでなく、ワクチンの種類や管理も複雑化し、予約・在庫管理・接種間隔の調整などの業務負担も増大しておりました。
長く通院されていたお子さまやご家族のことを思うと、私自身も大変悩みましたが、これらの状況を総合的に検討し、当院として果たすべき役割を改めて考えた結果、苦渋の決断ではありますが、小児科標榜を終了し、内科診療により一層注力することが当院としての責務であると判断いたしました。
現在、予約制の導入を含めて診療体制の整備を進めておりますが、すべては「内科医として、より質の高い診療を提供し、地域の公衆衛生に寄与する」という思いに基づくものです。
改めまして、冒頭にお書きしましたように、今後15歳未満の方の急性疾患につきましては、小児科専門医療機関への受診をお願い申し上げます。
何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
2026年3月4日 院長 長又 誠